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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生60巻6号

1996年06月発行

文献概要

トピックス

保健所は新しく何を切り開くか

著者: 笹井康典1

所属機関: 1大阪府四條畷保健所

ページ範囲:P.405 - P.409

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 地域保健法制定以来,保健所機能強化の検討がなされている.しかし機能強化とは名ばかりで,役割の縮小,統廃合,端的に言えば保健所数をどうするのかという話ばかりが聞こえる.当事者である保健所長も意見を述べる機会がないまま方針が決まりつつあるところがあるという.公衆衛生に夢を持ち,一生懸命やってきたと自負しているものの一人として,地域保健法成立後の成り行きは大変残念である.本当に21世紀に向けたあるべき地域保健,公衆衛生が実現できるのだろうか.
 しかし一方で,新しい保健所が何を目標に,何をやり,その結果住民の健康や福祉にどのように貢献できるのか,そしてその条件は何かが示され,関係者の理解を得て初めて,保健所の機能強化ができるということも事実である.その意味では,当事者である保健所長も意見を述べる機会がないということが事実であれば,全く保健所が信頼を失っているのか,あるいは保健所や公衆衛生行政のあり方への十分な検討がなされず,統廃合のみが優先されているとしか思えない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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