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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生61巻1号

1997年01月発行

文献概要

視点

適切医療技術の研究開発は望ましい国際保健協力である

著者: ソムアッツ・ウォンコムトオン1

所属機関: 1東京大学医学部国際地域保健学

ページ範囲:P.2 - P.3

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 開発途上国においては,戦後約50年間のいろいろな国際機関(世界保健機関,世界銀行,アジア開発銀行,日本海外協力事業団など)の活発な援助にもかかわらず,保健,経済,社会などの事情は満足すべき状態まで改善していない.開発援助委員会(Development Assistance Committee:DAC)の報告1)によると,低所得国(low-income countries:LICs)は1992年に1人当たりGNPが675ドル以下の国は65カ国あり,低中所得国(Lower middle-income countries:LMICs)は1人当たりGNPが676ドル以上2,696ドル未満の国は61カ国もある.健康状態においては,世界保健機関(WHO)の「世界保健報告1996」によれば1995年の5歳未満の乳幼児死亡率は,先進国では8.5であったのに対し,開発途上国では90.6であった.後開発途上国では,先進国の18倍の155.5にのぼっている2).いくつかの国の乳幼児死亡率と平均寿命,GNPとの対比などは表1に示されているとおりである3)
 開発途上国は,様々な文化,習慣などを持っているが,一般に共通した問題に直面している.たいていの国で広く蔓延している病気は,生物的要因,不衛生な環境,カロリー摂取の不足などにより起こる病気である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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