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特集 地域保健元年
地域保健における専門機関と保健所,市町村
著者: 山根洋右1
所属機関: 1島根医科大学第2環境保健医学教室
ページ範囲:P.26 - P.29
文献購入ページに移動1995年に山形で開催された第54回公衆衛生学会は,今,そのアイデンティテイを問われている戦後公衆衛生の一つの時代が終わり,新たな展望を切り拓く時代に入ったことを鮮明に意識させた学会として印象的であった.新井宏朋大会長は,「次世紀の公衆衛生に対する願い」として「研究者がその問題にかかわる人々の“思い”や“願い”に理解と共感を持ちながら,自身もその活動に参加し観察を重ね,問題解決のための方策の探求と実践を行う」ことの重要性を強調し政策科学としての公衆衛生の再構築に研究者の積極的な参加を促した1).また,戦後50年,社会防衛的公衆衛生として成果を上げてきた国・県・保健所トップダウン方式の制度は,制度疲労ともいうべき社会情勢とのずれを生じていることを指摘した.
WHOが指摘している発展途上国的中央主権的保健官僚主義や住民を指導する保健パターナリズムが終焉を迎え,21世紀は住民を主体とし研究者や行政の協力による社会協働の時代であることが多くの公衆衛生従事者の共感を呼んだ.
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