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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生61巻12号

1997年12月発行

文献概要

特集 現代の危機管理

大震災の経験を生かして—兵庫県

著者: 後藤武1 田村賢一2

所属機関: 1兵庫県保建部 2兵庫県保健部医務課(災害救急医療システム整備)

ページ範囲:P.896 - P.900

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 人知を超える大自然の力をあらためて認識させられた阪神・淡路大震災.安全神話を盲信し防災対策や危機管理体制が十分でなかったことなど,われわれはかつてない大都市直下型地震から,多くの反省と数々の貴重な教訓を学んだ.医療面では,傷病者の治療にあたるべき医療機関が,建物やライフラインに相当の被害を受けただけでなく,未曾有の交通渋滞が,職場へ駆けつけようとする医療従事者の行く手を阻んだ.
 被災地域の全医療機関を対象に実施した「兵庫県災害医療実態調査」によると,ライフラインの確保や医薬品の備蓄など事前の備えをとっていた医療機関が少なく,また,医療需要の急増に対応できる体制などが不十分であった事実が明らかとなった.同時に,電話回線の輻輳などにより,救急車やヘリコプターによる傷病者の搬送が円滑に行えなかったことも確認されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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