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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生61巻2号

1997年02月発行

文献概要

特集 病原性大腸菌O157の脅威

腸管出血性大腸菌O157による食中毒の病態と治療

著者: 橋爪孝雄1 木谷照夫2

所属機関: 1市立堺病院小児科 2市立堺病院

ページ範囲:P.96 - P.100

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 大腸菌は本来,健康人の腸管に常在する細菌である.しかし一部の大腸菌は人に有害に作用し,下痢症状などを起こすことが知られ,病原性大腸菌と呼ばれている.病原性大腸菌は腸管病原性大腸菌(enteropathogenic Escherichia coli, EPEC),腸管組織侵入性大腸菌(enteroinvasive E. coli, EIEC),毒素原性大腸菌(enterotoxigenic E. coli, ETEC),腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic E. coli, EHEC),腸管凝集付着性大腸菌(enteroaggregative E. coli, EAggEC)の5種類に分類されている.これらが属する病原性大腸菌はそれぞれ病原性を現わす機序が異なるが,大腸菌O157が属するEHECの特徴はベロ毒素(verotoxill, VT)を産生することで,別名ベロ毒素産生性大腸菌(verotoxin producing E. coli, VTEC)とも呼ばれ,この毒素により臨床症状が発現する.VTは色々な病態,症状を引き起こすがとくに溶血性尿毒症症候群(Hemolytic uremic syndrome,以下HUS)の原因となることが注目されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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