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難病ケアについて保健所に期待するもの
著者: 川村佐和子1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科基礎・臨床看護学
ページ範囲:P.378 - P.379
文献購入ページに移動従来の難病対策における保健所の役割について,筆者は予防的な思想をもって,住民の保健問題を発掘し,それを解決に導くための地域的な施策を見いだして,普及し,最も適切なチームにそれをゆだねていくという活動を見てきた.その経過を振り返ってみると,昭和47年に,国は特定疾患対策(いわゆる難病対策)を開始し,厚生省は,昭和50年に特定疾患「難病の治療・看護調査研究」班を設け,難病患者の生活実態調査を行った.初めの調査結果で明らかになったことは,難病療養者は診断確定が困難,症状が悪化しても医療継続や入院が困難,身体的障害が重度化しているにもかかわらず,福祉の恩恵を受けられないという実態であった.そこで,同研究班に参加していた東京都東村山保健所や日野保健所,三鷹保健所,京都府向陽保健所,富山県の保健所などが,それぞれの地域で,医師会と連携する「難病の地域ケアシステム」の開発に着手し,各種の事業が開発された.
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