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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生61巻9号

1997年09月発行

文献概要

特集 今,WHOの歩みから学ぶもの

アルマアタ宣言とプライマリヘルスケア

著者: 中村安秀1

所属機関: 1東京大学医学部国際地域保健学教室

ページ範囲:P.619 - P.623

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アルマアタ宣言以前の開発途上国
 世界各国で直面している保健医療問題の多くは,単に医療や保健の分野だけで解決することが困難であり,国際経済,政治,社会全体にわたるグローバルな矛盾と深くかかわっている.開発途上国においては,近代医療の直接的な導入により問題が解決しなかったばかりか,より矛盾が増大していった.また,先進諸国においては,高度医療の進歩により国民の心身の健康が増進したわけではなく,健康を脅かす種々の社会的状況はより深刻化してきた.このような厳しい状況に対処し,「2000年までにすべての人々に健康を!」(HFA 2000:Health for All by the Year 2000)という世界共通のゴールを目指すための戦略として取り上げられたのが,プライマリヘルスケア(PHC:Primary Health Care)である.
 ここでは,まず,アルマアタ宣言に至るまでの主に開発途上国を中心とした保健医療の動きを簡単にスケッチしてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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