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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生61巻9号

1997年09月発行

文献概要

特別寄稿

地域保健と医療介入の妥当性を基礎づけるもの

著者: 高原亮治1

所属機関: 1厚生省保健医療局地域保健健康増進栄養課

ページ範囲:P.652 - P.658

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 財政危機や慢性不況を契機に,わが国の戦後復興から高度成長を支えてきた社会的,経済的わく組みの見直しが進められている.地域保健や医療の分野では,行政改革や社会保障改革が身近なものとして進行しており,これへの対応が,緊急の課題となっている.この改革は,国内的には,金融改革などと同様の諸改革と一連のものであり,国際的には,先進諸国に共通する保健医療改革(health care reform)の一環である注1)
 国際的,国内的改革の波とそれをもたらせた情勢を正面から受け止め,地域保健や医療を現代社会においてさらに推進するためには,保健・医療・福祉の「仲間うち」だけで通じる諸概念を前提としたものではなく,より普遍的な基礎をもつ,国民に分かりやすいaccountabilityを獲得する必要があると思われる.世の中の流れは事前規制(予防)から事後規制(処罰)へと変わり,いわゆる規制緩和が強力に推進されている.また,公的主体の介入は,できるだけ少なくすべき,というのが行政改革である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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