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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生62巻2号

1998年02月発行

文献概要

特集 成人病から生活習慣病へ

「生活習慣病」でよいのか—公衆衛生の研究者から

著者: 多田學1

所属機関: 1島根医科大学環境保健医学第一講座

ページ範囲:P.118 - P.119

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成人病から生活習慣病
 1.成人病対策の歴史
 第二次世界大戦後,わが国の主要死因のトップが結核という伝染病から昭和26年には脳卒中へと変化した.過去においては,食生活をはじめとして生活環境が整備されていない状態であったが,少しずつ生活環境が整備され,医療の進歩と普及によって,結核の死亡率は減少した.そして,死因の第1位となった脳卒中は,昭和20〜40年代にかけては脳出血タイプが多く,死亡年齢も働き盛り(一家の柱)の30歳代から50歳代にかけての人たちで占められていた.それらの対象者に対して,国は昭和30年代後半に「成人病対策」と呼ばれ「がん」とともに「脳卒中」予防も国において取り組まれた.この「成人病」という名称は,欧米先進国では使われておらず,日本独特の呼び方によるものであった.なお,平成9年4月から「成人病」という名称が「生活習慣病」に改められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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