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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生62巻2号

1998年02月発行

文献概要

連載 福祉部門で働く医師からの手紙

通園施設からの便り

著者: 本山和徳1

所属機関: 1長崎市障害福祉センター小児科

ページ範囲:P.152 - P.153

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秋を迎えるころ
 夏を過ぎて朝夕涼しくなるころ,運動会が迫ってプログラムがたてられ園庭では帽子をかぶった園児と保母の姿が多くなる.
 落ち着きのなかった子どもたちも通園に慣れ保育者との信頼で結ばれるこのころ,集団行動も十分とはいえないまでもなんとかまとまっていく.運動会の日,空は高く晴れテントには両親をはじめ家族が熱いまなざしを送っている.去年はじっとしていられなかったわが子がみんなと同じように走り,音楽に合わせ踊ることを目の当たりにする時,大きな喜びがあるのだ.園にはめったに顔をみせることのない父親もいつのまにかしっかりと目を据えて子どもに見入っている.運動場にひかれた白線の傍らで両親にすれちがう時,会釈をし一言声をかけ合う.入園式の時以来,出会うことのなかった父親もいて,どの園児の父親であるのか改めて確認できる.人の子の父親として何か共通感を感じる瞬間だ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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