文献詳細
文献概要
特集 公衆衛生の視点からみた事故予防
交通事故の疫学
著者: 谷原真一1 槙尾崇2 轟木敦子2
所属機関: 1自治医科大学公衆衛生学教室 2自治医科大学疫学ゼミ
ページ範囲:P.271 - P.274
文献購入ページに移動人口動態統計による交通事故死亡率を1985年モデル人口を用いた直接法による年齢調整を行った結果を5年間隔で男女別に図1に示す.すべての年にわたって男性の死亡率は女性に比べ3倍以上高い値を示した.これは,男のほうが外出する機会が多く,不慮の事故に遭遇する可能性が高いものであると説明されている1).また,人口動態統計特殊報告「自動車事故死亡統計」による1990年の自動車事故死亡者のうち自動車運転者およびオートバイ運転者・乗員の占める割合は,男性がそれぞれ26.1%,26.9%,女性ではそれぞれ10.8%,8.7%となっている.交通事故総合分析センター発行「交通事故統計年報」記載の1995年男女別免許保有者数から人口100人あたりの免許保有者数を求めると,男性では68.2人,女性では43.2人と男性は女性よりも多く,男性は運転する機会が女性より多いと考えられることにも関連すると思われる.
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