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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生62巻7号

1998年07月発行

文献概要

視点

食品の安全性と食生活の安全

著者: 碧海酉癸

所属機関:

ページ範囲:P.466 - P.467

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 私は公衆衛生の専門家ではないし,取材を職業としている者でもないことをまずお断りしておく.ある官庁の委員会メンバーであった時,委員としての感想を「普通の人」の立場で述べてくれといわれた.おかしな頼み方だとは思ったが,これが意外にありがたく,肩を張らず,知識不足を省みずにものがいえる.今回も「普通の人」の言い分として読み飛ばしていただいても結構である.
 私は昭和8年生まれ,65年も生きていれば当然のことで,魚によるひどい食中毒の体験が2回ほど.いわゆる「サバのいきぐされ」でのプトマイン中毒が1回,なぜか家族の中で私ひとりが当たった.2回目は伊豆半島の突端にある海の家で,鮮度抜群,味覚的にも最高の「アジのたたき」で宿泊者の大部分が被害にあった.幼児だった末娘には「猫に小判」だからと食べさせなかったのがせめてもだったが,夫と息子2人ともども激しい腹痛と発熱で休暇は台なしになった.本で調べ,どうやら好塩菌という病原性の細菌のせいらしいとわかり,新鮮だけでは保証がないのだと身をもって悟ったのであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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