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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生63巻1号

1999年01月発行

文献概要

特集 公衆衛生の経済学

公衆衛生の経済学ABC

著者: 小林廉毅1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科保健経済学

ページ範囲:P.34 - P.37

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 公衆衛生は人間集団や社会の組織的な取り組みによって,人々の健康を維持・増進する活動(実践),ならびにそのための技術・知識(学問)の総体とされる.一方,経済学は人間社会における財(モノ)やサービスの交換の効率性と公平性について考える学問である.人々の生活や福祉に貢献することは学問共通の目的であるとしても,公衆衛生と経済学はともに直接の対象が人間社会であること,人間集団の行動観察が基本になること,社会への実践的役割が強調されることなど共通点が多く,両者の親和性はかなり高いと思われる.しかしわが国における両者の学際的発展の歴史はまだ浅く,用語の混乱すら見られる場合も少なくない.本稿ではまずHealth Economics(注:わが国では訳語として「保健経済学」や「医療経済学」が使われているが,両者に本質的な違いはない.理論的には予防,治療,リハビリ,介護などの活動を区別する理由はないと考えられる)の概念や考え方のうち,公衆衛生活動に重要と思われるものを紹介し,わが国の状況における意義づけや適用可能な方法論について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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