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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生63巻10号

1999年10月発行

文献概要

視点

公衆衛生に国境はない−21世紀に向けての地域保健

著者: 中村安秀1

所属機関: 1東京大学医学部国際地域保健学

ページ範囲:P.690 - P.691

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地球規模での健康問題
 1990年代は,旧ソ連の崩壊とそれに伴う東西対立の構図が崩れ,地球規模のグローバルな課題が噴出した時代であった.1990年の「子どものための世界サミット」以来,「国際人口開発会議(カイロ)」,「世界女性会議(ペキン)」など政府やNGO(非政府機関)を巻き込んだ国際会議が立て続けに開催された.これらの会議での重要な争点,すなわち,環境,人権,リプロダクティブ・ヘルス・ライツ,HIV/AIDS,開発などは,いずれも地球規模での健康問題と深く関連していた.
 日本も例外ではない.HIV/AIDSや再興感染症,内分泌攪乱物質に代表される環境問題,国際的な人的交流の増加などにより,地球規模での健康問題と日本国内の公衆衛生の課題は直結している.国内問題と国際問題,先進諸国と開発途上国という垣根の中で考えるのではなく,ボーダレスな公衆衛生の発想をもち,地域での取り組みを行う時代になったといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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