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特集 依存症の公衆衛生
依存症の概念はどう変わってきたか—時代の変化と依存症の変貌
著者: 岡田清1
所属機関: 1大阪府立こころの健康総合センター
ページ範囲:P.76 - P.81
文献購入ページに移動障害者プラン(ノーマライゼーション7カ年戦略)の策定(障害者施策推進本部,平成7年12月18日),介護保険法の成立(平成9年12月),社会福祉基礎構造改革について(中間まとめ)の報告(社会福祉構造改革委員会,平成10年6月17日)などの政策の流れを見ると,公衆衛生のパラダイムシフトが進行していることがわかる.新井宏朋は「昭和30年代,40年代の健康管理(正確には臓器別疾患管理だった)はレベルとクラークの疾病の自然史と予防の5段階,一次予防,二次予防,三次予防の考え方に支えられていたと言っても過言ではない」と指摘し,これからの公衆衛生活動の進む方向性について「人生80年時代を迎えて公衆衛生活動の中心が疾病予防から全人的な健康づくり,すなわち人のライフサイクルのすべてを通してのQOLの保持向上へと進んでいかなければならないことを意味している」と示唆した1).精神保健福祉領域における公衆衛生のパラダイムシフトは,精神障害を持つ人たちが地域社会で生活できることを社会の前提とすることから始まった.S.ホーランドは「ここで学んだことは,精神保健における予防事業のどんな新しい冒険も,精神保健サービスの受け手自身を,彼らやその近隣の人々の精神的問題を理解し,解決していくうえでの積極的な参加者にしていくことを中心的な課題としなければならないということであった」と述べている2).
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