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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生63巻2号

1999年02月発行

文献概要

トピックス

ダイオキシン対策の現状と課題・2

著者: 小野昭雄1

所属機関: 1厚生省生活衛生局

ページ範囲:P.119 - P.129

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ごみ焼却施設における排出削減対策
1.わが国のごみ処理の状況
 わが国のダイオキシン発生量のほとんどが現時点では廃棄物焼却に由来すると推測されることは前稿で述べたとおりである.家庭から排出される一般廃棄物の排出量,焼却処理量,焼却率の推移は図1に示すとおりである.昭和50年以降排出量は次第に増加してきたが,平成2年度に5千万トンに達してからは横ばいに推移している.わが国は国土が狭いため,ごみの埋め立てに当たっては,衛生的な状態にし,かつ,その容量を減らすために焼却処理する方法がとられている.焼却率は経年的に上昇し,平成6年度では77.1%となっている.
 このような現状を諸外国の状況と比較するために,ごみ処理の状況,ダイオキシンの規制の状況について京都大学の酒井助教授がまとめたものを表1に示している.この表によれば,わが国は諸外国に比べて1人1日当たりごみ排出量は低いレベルにあり,一方,ごみの焼却率は非常に高いレベルにあることがわかる.また,一般廃棄物の処理を市町村の事務にしている法律体系のもとで,ごみ焼却施設数がとびぬけて多いことがわかる.このことは,諸外国に比べて小規模の焼却施設の比率が多いことをうかがわせる.後で述べるが,一般的に小規模の焼却炉はダイオキシン類を発生しやすいといわれており,また,施設数が多いために,すべての焼却炉の状況を把握し対策の徹底を図るためには多大の労力を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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