icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生63巻4号

1999年04月発行

文献概要

特集 飲酒の行動医学

エタノールの脳への影響—新しい知見を中心に

著者: 石原熊寿1 笹征史1

所属機関: 1広島大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.238 - P.240

文献購入ページに移動
 エタノールはその作用として適量では抗不安作用や鎮静作用を有し,精神状態の改善に寄与することが古くから知られている.しかし,大量の飲酒や長期にわたる連続的な飲酒は脳をはじめとする様々な臓器に悪影響を及ぼす.このエタノールの脳内における作用点の一つとして中枢神経系の抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid:GABA)の受容体があり,GABAの作用を増強することはよく知られている.一方でエタノールの作用点は蛋白質直接ではなく細胞膜の脂質にあり,膜の流動性を変化させることによって作用を起こすとも考えられている.しかしながら,細胞膜の脂質に対する作用は結果として神経伝達物質受容体やイオンチャネルなどの膜蛋白の機能に影響を及ぼすことになる.これらの観点から,急性および慢性のエタノールの脳への影響としてエタノールによる受容体およびイオンチャネル機能の変化,ならびにエタノールによる神経細胞全体あるいは脳全体の機能変化について概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら