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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生63巻7号

1999年07月発行

文献概要

特集 思春期を支える公衆衛生

思春期保健のあゆみ

著者: 上林靖子1

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所

ページ範囲:P.452 - P.455

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 思春期(puberty)は本来性成熟に関連する用語で,第2次性徴の発現から,男子では性的能力が完成し,女子では妊娠可能になるまで,つまり子どもを持つことができるまでの期間を意味する.人はこの期間に身長も体重も急速に大きくなり,著しい身体の生理的変化を経験する.
 この時期は身体的な成熟にとどまらず,精神面でも,子どもから大人への変化の時である.思春期の青少年がこの間に直面する発達課題は,上述の身体変化を引き受けながら,自己を確立すること,すなわち性同一性を獲得する,自己中心性を脱し相互交流を基盤とした対人関係を確立することである.これらの課題は,児童期に持っていた親との一体感や親との依存関係を打ち破り,新たな自己を見いだし,同性の親友ばかりでなく異性との出会いを経験し,大人としての社会性を獲得することによって達成される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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