icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生63巻7号

1999年07月発行

文献概要

連載 公衆衛生へのメッセージ—福祉の現場から

老人福祉施設などにおける感染症対策への新しいアプローチ—高齢者のインフルエンザ対策を例として

著者: 出口安裕1

所属機関: 1大阪府福祉部高齢介護室

ページ範囲:P.504 - P.506

文献購入ページに移動
 わが国では本格的な超高齢化社会の到来を迎え,保健・医療.福祉の連携のもとに,そのより適切な高齢者福祉サービス提供のためのシステム構築が求められている.特に,在宅介護の問題とともに,特別養護老人ホームや老人保健施設,ケアハウスなどの老人福祉施設などの入所者に対する処遇面の充実については重要である.高齢者においては,感染防御免疫能の低下などにより易感染性の問題がある.このため,健康な人では感染を起こさないような病原菌や非病原菌によっても感染症を起こしやすい.例えば,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症(MRSA)が病院や施設内で急増している.また,最近,腸管出血性大腸菌感染症などの食中毒やインフルエンザ感染症なども含めて,集団生活の場でもある老人福祉施設などにおける感染症の問題が問題となってきている.殊に,本年を含めて,最近,特別養護老人ホームなどにおけるインフルエンザの集団発生と高齢者の死亡例が報道され,高齢者に対するインフルエンザ対策が問題となってきている.このような点からも老人福祉施設などにおいての感染症予防対策は殊に重要な問題である.われわれは,大阪府下の老人福祉施設などにおける施設ごとの感染症(食中毒やMRSA,インフルエンザなど含む)とその対策の現状をアンケートなどにより把握して,その結果から現状を分析した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら