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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生63巻7号

1999年07月発行

シンポジウム 第17期日本学術会議環境保健学研連主催公開シンポジウム

「内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)の影響はどこまでわかっているか」

内分泌攪乱化学物質とは

著者: 内山巌雄1

所属機関: 1国立公衆衛生院労働衛生学部

ページ範囲:P.522 - P.526

文献概要

 本シンポジウムは,角田環境保健学研連委員長のご挨拶にあったように,一般の方にもわかりやすくということで本題を用意してきたが,ご参集の方々には本領域を専門に研究されておられる方も非常に多いので,期待に沿えない内容となるかと思うが,第2席以降の各専門分野の先生による講演のイントロダクションという意味で,「内分泌境乱化学物質とは」と題し,その概念を中心に紹介したい.
 内分泌撹乱化学物質については,現在はいろいろな言葉が使われているが,日本では,「環境ホルモン」という言葉がポピュラーになってしまった.もともとは,内分泌攪乱化学物質は女性ホルモンであるエストロジェン作用が注目されていたので,最初は“Environmental Estrogens”環境エストロジェン,あるいはエンドクリン問題ということで議論されていた.それからエストロジェンはホルモンであるので“Environmental Hormone”という言葉でも使われてきたが,ホルモンは生体内で良い働きをするので,このような場合にホルモンを使うのは良くないという意見や,ホルモン作用だけではなくて,免疫系やその他の作用をもつものもあるので,その次に出てきたのが“Endocrine Disruptors”あるいは“Endocrine Disrupting Chemicals”という言葉である.最近では,略してEDCsという表現を欧米では使うことが多くなった.それを日本語では内分泌攪乱化学物質といっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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