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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生63巻8号

1999年08月発行

文献概要

特集 女性への暴力

女性と暴力—保健所における取り組み

著者: 徳永雅子1 向山晴子1

所属機関: 1世田谷保健所

ページ範囲:P.558 - P.562

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 保健所(保健福祉センター)において,女性に対する暴力の相談にかかわるようになったのは,アルコール相談が始まってからである.1980年代半ばを過ぎたころ,保健所にも夫の暴力を訴えて駆け込む姿が目立つようになってきた.しかしながら,彼女たちは援助を求めてきても,すぐミーティングを脱落してしまう.悲惨な状況で,命が危ないかもしれないのに家を出ようとしない.なぜ暴力を伴っているアルコール家族は変化しないのか,夫から離れようとしないのか不思議であった.そしてまたいったん家を出ても,また帰るという出入りも結構あって,介入も難しいという印象だった.
 それからは薬物依存,男性依存,ギャンブルなど嗜癖にからむ暴力,恋人からの暴力,父親や母親の思春期の娘に対するいじめ,あるいは嫉妬妄想と暴力,老人虐待,児童虐待,精神疾患と暴力など様々なバイオレンスの相談が関係機関を通して,あるいは直接に相談が入るようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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