icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生63巻8号

1999年08月発行

文献概要

連載 シリーズ 始動した新しい健康の町づくり—出雲健康文化都市プロジェクト・5

市民と専門家のエンパワーメントを実現する健康学習

著者: 四方田悦子1 石川智恵子2 塩飽邦憲3

所属機関: 1出雲市福祉推進課高齢者福祉係 2出雲市健康増進課健康医療係 3島根医科大学環境保健医学

ページ範囲:P.567 - P.571

文献購入ページに移動
健康活動と暮らし方の選択
 出雲市健康文化都市プロジェクトでは,健康福祉政策の形成,市民活動のネットワーキング,健康学習を重視している.出雲市では,高脂血症や糖尿病など生活習慣病の増加が著しく,ストレス関連疾患や,エイズなどの性行動関連の感染症も重要な健康課題となっている.こうした中で,市民一人ひとりが,緑豊かな自然環境の中で社会資源を活用しながら「障害や病気の有無にかかわらず,いきいきと輝いて暮らす」ことが,健康活動の目的となってきた.出雲市老人クラブは,「健康文化都市・いずもプラン21」1)の策定に積極的に参加し,健康活動の目標を「元気に暮らす」ことだけでなく,「老いと孤独を受け容れる」,「ボランティアや趣味を通して地域社会とかかわる」,「地域文化や生きる技を伝える」ことに拡大し,1997年より連続講座を企画している.まさに,市民の健康観は,身体的な健康から精神的・社会的・霊的(スピリチュアル)健康を含む総合的な健康観へと発展しつつあると言えよう.市民は,自らの価値観や信念に基づいた健康福祉サービスや暮らし方を選択している.さらに,市民は受動的な健康福祉サービスの受け手ではなく,能動的で「自立した健康人(ヘルシー・ピープル)」であり,自己尊厳,セルフケア,ソーシャルネットワークの開発,社会サービス利用の選択能力をのばしつつある2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら