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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生64巻11号

2000年11月発行

連載 公衆衛生のControversy

保健所保健婦の専門性について

保健婦に専門性は必要/保健所保健婦は専門分化すべきでない

著者: 岩室紳也1

所属機関: 1神奈川県厚木保健福祉事務所

ページ範囲:P.836 - P.837

文献概要

専門分化保健時代の幕開け
 医療における役割分担は明確で,臨床の一次〜高次医療,研究面の臨床研究と基礎研究,さらに公衆衛生,行政がある.「多種多様な病気を治してほしい」という住民ニーズに答えるために医療は役割分担をしなければならなかった.しかし,地域保健において一次,二次,高次保健といった分類はなく,専門分化の方向に向かっていない.保健婦活動に医療のような専門分化はいらないという声が根強いのは保健婦活動の原点が一次(プライマリケア)的な分野を「専門性」としてきたからであろう.しかし,住民ニーズが「病気の早期発見,早期治療」で,医療が確立した方法論(検診,情報など)を保健婦が相談,訪問という手段を用いて提供するだけの立場を容認されていた時代は終焉を迎えつつある.これからの地域保健が多様化した住民ニーズに答えるために,医療に頼ることなく保健の一次サービスを補完する,より多角的多面的な「専門性」が求められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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