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連載 海外レポート ニューヨーク州保健省の日常・2
公衆衛生政策の日米比較
著者: ホスラー晃子12
所属機関: 1ニューヨーク州保健省慢性病疫学課 2ニューヨーク州立大学公衆衛生大学院
ページ範囲:P.120 - P.121
文献購入ページに移動ところでこちらでよく使われる引用句に,「アメリカは世界一の医療消費国であるのに,国民の健康レベルは先進国の中でも下位で低迷している」というのがある.また「アメリカは主な先進国中,国民総健康保険制を持たないただ一つの国である」というのもある.日本ではたばこ政策や感染症の対処の例をとって,アメリカの公衆衛生政策はかなり進んでいると判断しがちであるが,アメリカ人自身はそれほど自国の政策が優れていると思っていない.特に肥満とそれに関連した生活習慣病の蔓延,近年向上したとはいえまだ問題のある母子の健康など,実際の成果が政策に追い付いていないという懸念がかなりある.国を挙げての政策展開というのも,こうした問題は州レベルでは解決できないという危機感に根差したものであるといえる.
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