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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生64巻2号

2000年02月発行

文献概要

資料

ヘルスプロモーション活動の評価—WHOヨーロッパ地域事務局ワーキンググループ報告の紹介

著者: 曽根智史1 中原俊隆2

所属機関: 1国立公衆衛生院公衆衛生行政学部健康教育室 2京都大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.131 - P.134

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 わが国で「健康増進」や「ヘルスプロモーション」という言葉が一般国民の間に定着するのは,昭和53年厚生省が「自分の健康は自分で守る」を標語として国民健康づくり対策をスタートさせて以後のことである.「健康増進」という言葉は,国際的に用いられている「ヘルスプロモーション」という言葉の直訳のようにみえるが,決してそうではない.昭和61年のオタワ憲章による定義によれば,「ヘルスプロモーション」とは「人々が自らの健康をコントロールし,向上させることができるようになる過程」をいっており,その実現を図るためのヘルスプロモーション活動においては,1)人々に知識・力を与え(エンパワーメント),2)人々の参加を促し,3)全人的に健康をとらえ,4)活動をする組織間で協力し,5)社会的に公正で,6)持続的な変化をもたらし,さらに7)様々なアプローチを組み合わせた戦略をとる必要があるということが強調される.翻って,わが国で用いられる「健康増進」という言葉には社会的な活動への広がりはなく,個人単位の健康を対象にしているように思われる.あえていえば,「ヘルスプロモーション」という言葉には,戦後わが国で保健所やその保健婦などがプロモートして住民参加で行われた地区衛生組織活動や地域保健活動などの住民活動や企業の活動などをも含め,現在の保健所や保健センターの活動,企業活動,マスコミを含めた健康情報普及活動など多岐にわたる様々な健康に関する活動すべてを含めて考えるべきものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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