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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生64巻3号

2000年03月発行

文献概要

特集 性の公衆衛生

性感染症の行方

著者: 白井千香1

所属機関: 1神戸市保健福祉局保健所

ページ範囲:P.154 - P.159

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 性感染症は性行為によって細菌やウイルス,寄生虫などが伝播する感染症(sexually transmitted diseases;STDs:以下,STD)である.性感染症は人間の生(=性)に関連して古くから存在してきた.交通機関の発達などに伴い人間の行動範囲は広がり,現在,HIV(human immunodeficiency virus)感染症を含めSTDは全世界的な問題となっている1)
 性に関連する行動が全くなければSTDは発生しない.歴史の中では純潔教育や防疫・隔離・蔓延防止が奏効した時代もあったかもしれない.しかし現在の日本においては,性行動開始の低年齢化2),情報化社会における多機能の性産業3),性愛の価値観の多様化など,若年者から高齢者まですべての人たちをSTDから隔離した環境におくことは不可能である.私たちは「性のあるところにはSTDがある」という認識を持たなければならない.性にかかわる健康はリプロダクティブ・ヘルス/ライツを推進する方向で考えていきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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