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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生64巻4号

2000年04月発行

文献概要

連載 海外レポート ニューヨーク州保健省の日常・4

肥満対策とサイズアクセプタンス運動

著者: ホスラー晃子12

所属機関: 1ニューヨーク州保健省慢性病疫学課 2ニューヨーク州立大学公衆衛生大学院

ページ範囲:P.288 - P.289

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 昨年10月にJAMA(アメリカ医師会機関誌)は肥満研究を特集し,その中でCDC(疾病管理予防センター)の研究者が発表した「合衆国における肥満の蔓延,1991-1998」という論文を掲載した.これによるとアメリカにおける成人の肥満率は1991年には12%であったのが,1998年には約18%に達し,肥満は男女,人種,教育程度などの別を問わずアメリカ中にじわじわと広がっていると報告している.ニューヨーク州は幸い肥満率,肥満率の伸びともに全国平均をかなり下回っていてひと安心だが,それでも楽観は許されない状態である.ところでこの論文でいう肥満とは,アメリカ国立衛生研究所(NIH)が任命した専門家パネルによる,成人の肥満に関するガイドラインの定義に基づいている.すなわち18歳以上の成人においては,BMI(body mass index)値が30またはそれ以上を肥満(obesity)と定義する,ということである.BMIは体重(kg)を身長(m)の二乗で割った指数で,数値が高いほど肥満度が高くなる.このBMI値30というのは,例えば身長155cmの人であると72kg,175cmの人だと92kgという体重に相当するので,日本人にとってはかなり太め,という感覚になる.筆者の概算では,この定義を用いると日本人成人で肥満とされるのは約2%のみである.この定義の他にも,同じくBMIを用いたものに,成人の男性はBMI値27.8以上,女性はBMI値27.3以上が肥満という定義がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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