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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生64巻5号

2000年05月発行

文献概要

特集 児童虐待の防止に向けて

子どもの性的虐待の実態とその対策

著者: 福島富士子1

所属機関: 1国立公衆衛生院公衆衛生看護学部

ページ範囲:P.318 - P.323

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 わが国において,子どもへの性的虐待が重要な公衆衛生上の課題であることが指摘されるようになったのは,1970年代末から1980年代初めのことであるが1),それが広く認識されるようになったのは1990年代に入ってからであり,児童虐待の他の問題に比べ,一般の認識もまだまだ希薄である.
 性的虐待の問題は,潜在化しやすく,他人が介入するのが大変難しい問題である.これは,被害者の家族や周りの者もその事実を知ったとしても,その事実を隠蔽してしまう傾向が強いこと,したがって,妊娠など深刻な状態になるまで無視される可能性も非常に高いこと,また,虐待を加える側に子どもへの性的虐待は人権を脅かす重大な犯罪であるという認識がないことなどがその理由として考えられる.そして,その背景には,わが国における「性」の扱われ方の問題がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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