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特集 地研における公衆衛生情報ネットワーク
病原体サーベイランス—地研との情報ネットワーク
著者: 山下和予1 井上榮1
所属機関: 1国立感染症研究所感染症情報センター
ページ範囲:P.410 - P.413
文献購入ページに移動患者発生と病原体検出との2種類の情報は,最終的には統合して対策に役立てるのであるが,それぞれの性質はかなり違っている.前者は臨床医から発せられるものであり,量的な統計データとして不可欠であり,現在の情報技術を使えば,広域かつ限りなくリアルタイムでの監視が可能である.一方,病原微生物は肉眼では見えないものであり,その検出には検査室が必要であり,分離培養,同定を行うための時間が必要であり,病原体検出情報が患者発生情報より遅れて発信されるのはやむを得ないことである.しかも病原体検出には人材・費用がかかることから,すべての感染症患者からの病原体検出は不可能である.すなわち,病原体サーベイランスは,患者発生状況を見ながら,最も効率的な検体採取を考えなくてはならない.つまり,病原体検出データは量ではなく質が重要である.わが国では地方衛生研究所(以下,地研)が地域の病原体サーベイランスを行っている.
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