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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生64巻7号

2000年07月発行

文献概要

連載 公衆衛生のControversy 献血のHIV陽性告知をすべきか

HIV陽性献血者への告知に賛成/HIV陽性献血者の告知に反対

著者: 霜山龍志1

所属機関: 1北海道赤十字血液センター

ページ範囲:P.510 - P.511

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 献血時の検査ではHIV抗体陽性となる献血者は最近では10万人に1人であり,年間50人くらいに上る.この陰にいわゆるウィンドウ期の献血者もあり,それが輸血によるHIV感染の原因となりうるのである.しかしこれはいまだ2例しか確認されておらず,その理論的頻度も献血者400〜800万人に1人(輸血100万回に1回)とされている.以上を前提として論を進める.
 献血時の検査は輸血の安全性を守るためであるから,献血者にその結果を知らせる義務はないかもしれない.しかしながら,HIVのような重要な感染症に罹患している事実を知らせないと必然的に性交渉による二次感染が起きるし,HIVの場合は無症候期からの治療が功を奏することもある.したがって,医師として公衆衛生の義務からは陽性献血者に告知するのが適切であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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