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特集 公衆衛生と個人情報保護
公衆衛生と個人情報保護の沿革と今後のあり方
著者: 瀬上清貴1 佐藤敏行1 一瀬篤1 大竹輝臣1
所属機関: 1厚生省大臣官房統計情報部保健統計室
ページ範囲:P.532 - P.540
文献購入ページに移動1.研究者に意識の転換を期待する
これまで,医学や公衆衛生学の多くの研究者は,患者または市民から,あるいは医療機関などの診療記録や検診記録から保健医療に関する個人情報を取得し,研究や公衆衛生的事業に利活用してきた.しかし,今後はこうした考え方に急速な転換が必要となっている.ゆっくりとした足取りで忍び寄ってきた「個人情報保護」という概念は,昨年から今年にかけ,急速に足を速め,これまでの考え方では,研究を進めることが困難となる様相すら示している.
乱暴な名簿商法や様々な個人情報流出事件などにより,国民のプライバシー意識が急速に高まり,個人情報の氾濫についにNoと言うようになった.そして平成13年3月には,新たに個人情報保護に関する基本法制が国会に上程されようとしている.
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