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連載 公衆衛生のControversy 公衆衛生におけるRCT
公衆衛生の成果責任/科学(研究)と行政(政策)
著者: 久繁哲徳1
所属機関: 1徳島大学医学部衛生学
ページ範囲:P.596 - P.597
文献購入ページに移動公衆衛生は住民の健康改善を進めるための実践活動である.公衆衛生従事者は,健康改善の成果を上げる責任があり,しかも,限られた資源(人,物,時間,お金)の下で,最大の健康改善を達成することが求められる.それは一方で,住民に対して,健康サービス利用のインフォームド・コンセントと,利用後の成果説明を行うことでもある.
そのためには,問題解決を目指した意思決定,つまり無益(有害)なサービスを回避し,健康利益を最大にするサービスを選択しなければならない.健康サービスが常に有益であり危険がないというのは神話に過ぎない.国際的には,1970年代からこうした責任を果たすために,健康サービス評価の方法と基準を設定し,健康サービスの系統的な評価を行ってきた.その結果に基づき,現在,根拠に基づく保健医療(evidence-based healthcare:EBH)がグローバル・スタンダードとなっている.
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