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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生65巻1号

2001年01月発行

文献概要

連載 公衆衛生院からの発信・12

疫学をどう学ぶか

著者: 簑輪眞澄1

所属機関: 1国立公衆衛生院疫学部

ページ範囲:P.62 - P.63

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公衆衛生の現場における調査研究
 地域保健法において,保健所は必要に応じて「所管区域に係る地域保健に関する調査及び研究を行うこと」ができるとされている.このことによって,これからの保健所は調査や研究をもやらなければならなくなったと思っている人がいるようである.しかし,昭和36年に刊行された『保健所管理』1)には既に,保健計画のためには地区保健調査を行い,それに基づいて地区診断を行い,保健活動の結果の評価を行うべきことが書かれている.また,『保健所概論ノート』の初版2)には公衆衛生診断が保健所の基本的機能の一つとされている.保健所における調査研究機能の必要性は最近になって急に強調されていることではない.事実筆者が初めて保健所に勤務した頃には,疫学的手法を理解して,感染症や食中毒の集団発生における流行調査の指揮を取り,自らデータをまとめ,学会などで発表できるようになることが真っ先に保健所医師に求められたものである.
 保健所における研究とわれわれ研究者の行う研究の重要な違いは,地域保健法にあるように,保健所など公衆衛生の現場における調査研究は「必要に応じて」行うということであり,不必要なことはやらなくていいのである.われわれ研究者は何が何でも研究をしなければならないから,時には重箱の隅をつつくようなこともやらざるを得ないのに対して,公衆衛生の現場と密着していることのすばらしさを示すものであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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