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特集 地域保健の危機管理
東海村臨界事故
著者: 佐藤正1
所属機関: 1茨城県大宮保健所
ページ範囲:P.171 - P.174
文献購入ページに移動平成11年9月30日(木曜日)午前10時35分ころ,茨城県東海村のウラン加工施設でわが国初の臨界事故が発生した.午後3時,事故現場から半径350m圏内住民への避難要請が行われた.さらに,希ガスやヨウ素の一部が大気中に放出され,また,臨界事故の見通しが立たなかったことなどから,午後10時30分には半径10km圏内住民への屋内待避要請が行われた.平成11年10月1日(金曜日)午前6時30分ころ,臨界状態は終息した.午後4時30分ころ,屋内待避要請が解除された.平成11年10月2日(土曜日)午後6時30分ころ,半径350m圏内住民への避難要請が解除された.
この事故により3名の従業員が重篤な被ばくを受け,内2名の方が亡くなった.また,3名の従業員を搬送した消防署員,臨界状態の停止作業に従事した社員および事業所周辺の住民などが被ばくした.原子力施設の事故規模を示す国際評価尺度(INES)は,レベル4(施設外への大きな危険を伴わない事故)であった.
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