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住まいと健康—建築衛生学
著者: 池田耕一1
所属機関: 1国立公衆衛生院建築衛生学部
ページ範囲:P.678 - P.682
文献購入ページに移動わが国におけるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物などの化学物質による住宅などの一般環境室内における空気汚染問題(シックハウス問題)は,極めて大きな社会的関心を呼び,1997年の6月には,当時の厚生省から住宅室内におけるガイドライン値がホルムアルデヒドについて設定された1).また,2000年6月にはトルエン,キシレン,パラジクロロベンゼンのガイドラインについて,9月には,エチルベンゼン,スチレン,クロルピリホス,ブタル酸ジn-ブチルについてもガイドライン値が設定され,さらに「暫定値」とはしながらもTVOC(総揮発性有機化合物)の指針も示されている.このような状況を受け,日本の各業界もこの問題が社会的に知られはじめた1995〜6年頃に比べると,前向きな姿勢で取り組みを開始しているようで,建築物の衛生にかかわる公衆衛生の仕事をしている者としては,一応安堵しているというのが,正直なところである.
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