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特集 文化と健康生態・2
日常生活の健康生態・2 住まいと健康—住文化の地方性を視野に入れて
著者: 鈴木晃1
所属機関: 1国立保健医療科学院建築衛生部健康住宅室
ページ範囲:P.725 - P.729
文献購入ページに移動もともと住宅は土地に固定され,自然環境や地域の生活文化と一体となって存在してきた.その地方で生産される素材を使って建築され(たとえば屋根葺材料の地方による差は国内でも顕著にみられる),気候風土に適した形を生み出し,住み方を含めてその地方固有の風景をつくり出してきた.その意味では,衣食と同様,あるいはそれ以上に,地域的な特徴を住まいは有していると言えよう.現在,住宅生産システムの変化,すなわち商品化の流れの中で画一的な建築材料や構法が広がり,その地域性にも変化が見受けられる.
本特集の「文化と健康生態」を考える際に,住まいのつくられ方や住み方といった住文化の問題も重要である.住文化の地方性についてはすでに議論がなされているが1),健康生態との関わりについては必ずしも論点が整理されているとは言えない.「すべての人の健康」のために住宅の課題は大きいのだが,地方固有の課題に関する議論はおろか,日本全体の住宅政策のレベルにおいても,いまだその認識は十分ではない.
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