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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生66巻10号

2002年10月発行

文献概要

特集 文化と健康生態・2

日常生活の健康生態・4 性の健康生態

著者: 大川玲子1

所属機関: 1国立千葉病院産婦人科

ページ範囲:P.734 - P.737

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はじめに
 性=セクシュアリティとは,性別や性行動,それらに関わるすべての事柄を指し,人に普遍的に備わるものである.WHOの健康の概念に,「身体的,心理的,社会的そして霊的(spiritual)に健康な状態」と提案されているが,性の健康も近年あらためて強調されるようになった.カイロ人口開発会議(1994年)で提言されたキーワード,reproductive health & rights(性と生殖における健康と権利:以下リプロと省略),すなわち「性や生殖は基本的人権としての健康の一部である」は,その代表的な概念である.
 リプロはその後,北京女性会議で再確認されたように,女性が生殖や性に関わる事柄について,自己コントロールすべく支援することが内容の中心である.日本でもその内容は男女共同参画プラン(2000年)に取り入れられた.リプロにおける成果は,優性保護法から母体保護法への改定(1996年),バイアグラの承認(1999年),経口避妊薬の承認(1999年),DV防止法の制定(2001年)など,法的体系は徐々に進んでいると言えよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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