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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生66巻11号

2002年11月発行

トピックス

今後の人口を推計する

著者: 小川直宏12

所属機関: 1日本大学人口研究所 2日本大学経済学部

ページ範囲:P.843 - P.848

文献概要

はじめに
 2002年6月に厚生労働省から発表された人口動態統計によれば,2001年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと思われる子供数,以下TFRと呼ぶ)は1.33人となり,2000年における合計特殊出生率であった1.36人から再び低下し,わが国の史上最低記録を更新した.このような結果から,20世紀末の1999年から2000年への僅かな出生率の上昇は,ミレニアム効果によるものであったことを示唆していると考えられる.すなわち,1996年の1.43人から連続的に低下してきている出生率は,ミレニアム効果で一度は中断したが,現在も依然としてその低下傾向が続いていると解釈することができよう.
 では,わが国の出生率は一体どこまで低下を続けるのだうか? そして,わが国の高齢化現象はどこまで進行するのであろうか? 人口がどのように今後変動するかは,わが国における中・長期の経済成長パフォーマンス,労働市場の需給バランスや雇用形態の変化,年金・医療を中心とする社会保障制度の将来動向に直接的に影響を及ぼす.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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