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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生66巻11号

2002年11月発行

文献概要

連載 米国の知的障害者サービスと脱施設化に学ぶ—わが国の痴呆性高齢者対策への警鐘・2

わが国の痴呆性高齢者問題と米国の知的障害者問題との接点(下)

著者: 武田則昭1 八巻純2 末光茂1 江草安彦1

所属機関: 1川崎医療福祉大学医療福祉字部医療福祉学科 2 3University at Albany, Center on Intellectual Disabilities, 4

ページ範囲:P.869 - P.872

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知的障害者(問題)と痴呆性高齢者(問題)の共通点と相違点
 知的障害者と痴呆性高齢者は言うまでもなく全く異なるものである.しかし,両者を人間環境生態学的視点で捉えると,共通点でくくることができる.1つには知的障害者と痴呆性高齢者はそれぞれ知的障害,高齢・痴呆症を有した当事者であること,もう1つには社会環境(米国と日本の違いを除く)における位置づけが同じであることなどである.もちろん,知的障害あるいは高齢・痴呆症がなければ当事者は存在しないことになる.そして知的障害,高齢・痴呆症を有する当事者がいなければ,当事者,その当事者を介護する家族・介護者(場合によっては後見人)がいる生活環境,社会環境は存在しないことになる.
 当事者は障害や高齢・痴呆症とともに生き,家族・介護者(場合によっては後見人)の援助,その日常生活環境(家庭・施設等)の中で生活をしている.当事者,家族,その生活環境は社会環境の1つをなし,それらは自然・物理的環境,社会,経済,文化,慣習との相互関連性を有する.見方を変えれば,当事者の存在自体が社会に影響を与え,また,その影響が社会環境を変えるといったように,すべての存在が相互に影響し合いながら,環境,時代,歴史を形成している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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