文献詳細
連載 米国の知的障害者サービスと脱施設化に学ぶ—わが国の痴呆性高齢者対策への警鐘・3
米国の知的障害者対策の歴史的展開(上)
著者: 武田則昭1 八巻純2 末光茂1 江草安彦1
所属機関: 1川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学科 2イリノイ大学シカゴ校応用健康科学部人間発達障害学科 3ニューヨーク州オルバニー大学知的障害センター 4イリノイ大学シカゴ校RRTC ADD
ページ範囲:P.931 - P.933
文献概要
米国は連邦制をとっており,合衆国憲法に「憲法に定められていない事柄については,各州でこれを定める」と示されているごとく,多くの政策決定は州,郡あるいは市町村など地方自治体によってなされている1).それを受けて知的障害者サービス,財政,保険年金制度,医療保険制度なども州の独自性,自主性を尊重してその施策,運営全般にわたり州政府にゆだねられている2,3).その意味でも,地方分権が言われる日本にとって,米国の状況は大いに参考になると考えている.
今回の報告はタイトルを「米国」としているが,読者におかれては日本のような単一国家のイメージではなく,51(50州+ワシントン特別区)の集合体として認識していただきたい.本文中の米国での知的障害者問題については,全体像に併せて,可能な範囲で特徴ある州の施策や成果および課題を紹介し,説明を加える.
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