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文献概要
連載 機能訓練事業の危機・5
地域保健活動としての機能訓練事業の重要性
著者: 吉永智子1
所属機関: 1高知県安芸保健所
ページ範囲:P.129 - P.131
文献購入ページに移動介護保険は,その施行によって介護サービス利用者が大幅に拡大するなど,多くの課題を抱えながらも,介護に対する人々の意識を大きく変えてきた.しかし,高齢者の生活の中心がまるで「介護」であるかのような介護保険優先の現状には疑問を感じる.高齢者は介護状態によって区別され,要介護高齢者は介護保険サービスの中に閉じこめられたという声も少なくない.介護の必要な高齢者や障害者の社会性や人間としての暮らしはどのように保証されるのだろうか.これまで保健活動は「誰もが安心して暮らせる地域づくり」を目標に,医療や福祉の活動を補完したり,必要なサービスを開発する役割を担ってきた.しかし,医療や福祉の活動と比べて保健活動は地域の実態に合った事業の取り組みが可能な反面,活動目的や効果がわからない,介護保険が導入されれば不要な活動などと評価されにくい側面ももっている.機能訓練事業がそのよい例である.
機能訓練事業は単なる通所サービスではない.
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