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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生66巻3号

2002年03月発行

文献概要

特集 国立保健医療科学院への期待・提言

新生公衆衛生院の機構・組織

著者: 林謙治1

所属機関: 1国立公衆衛生院保健統計人口学部

ページ範囲:P.154 - P.156

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 公衆衛生院は昭和13年(1938)ロックフェラー財団の寄贈により,厚生省所管の教育・研究機関として発足した.設立当時,公衆衛生という分野は存在せず,わが国における初めての試みであった.周知のようにロックフェラー財団は米国のハーバード大学およびジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生学校の設立に当たって多大な援助を行い,海外においても多数の公衆衛生学校の設立に寄与してきた.国立公衆衛生院と前後して創設されたのは国立フィリッピン大学の公衆衛生学校,旧ユーゴスラビアのスタンパー公衆衛生学校である.同財団がかかわった海外の公衆衛生学校は現在まで40以上にのぼる.これらの学校のほとんどは現在でも活動を続けており,財団の国際協力・貢献はまことに刮目すべきものがある.
 本院の設立以来,63年の歳月を経たが,その間多数の公衆衛生研究者,行政官,現場従事者を養成し,公衆衛生の発展のために尽力してきた.戦時中一時名称の変更があり,また,戦争直後GHQの指導により組織の改正も行われたが,公衆衛生の教育・研究という中心となる業務は一貫して堅持してきた.一方,公衆衛生の重点課題は時代とともに変わり,結核・感染症の時代から母子保健へ,そして高齢者保健へと移り,今日では保健,医療,福祉の連携・統合化の方向が模索されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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