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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生66巻3号

2002年03月発行

文献概要

特集 国立保健医療科学院への期待・提言

地方衛生研究所から望むこと

著者: 加藤一夫12

所属機関: 1地方衛生研究所全国協議会 2福島県衛生研究所

ページ範囲:P.163 - P.165

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 地方衛生研究所は,地域保健対策を効果的に推進し,公衆衛生の向上および増進を図るため,都道府県または指定都市における科学的かつ技術的な中核機関として,関係部局,保健所などと緊密な連携の下に,調査研究,試験検査,研修指導および公衆衛生情報などの収集・解析・提供を行う機関とされている(厚生事務次官通知:平成9年).すなわち,各地方自治体がそれぞれの地域における衛生行政施行上での問題点解決,加えて行政執行に対する科学的根拠を得る必要性に基づき設置し,保有している行政機関としての研究所である.それゆえに,多くの衛生研究所は調査研究,試験検査,研修指導および公衆衛生情報などの収集・解析・提供の業務を4本柱の基本機能として備えるべく努めている.しかしながら,研究所の設置には法的根拠がないこと,標準的研究所の組織体制は示されているものの,その組織構成は各地方自治体にまかされていることから,ほとんどの研究所は人的にも施設・設備的にも十分な体制にあるとは言えないのが現状である.さらに近年の財政事情の悪化により,充実する方向にはなく,むしろ弱体化を余儀なくされる傾向すら存在している.
 一方,健康に対する住民の関心が高まり,あるいは遺伝子組み換え食品の出現,各種化学物質による環境汚染などが明らかになるに従って,住民の食や健康に関する不安の高まりを受け,地方衛生研究所に対して,これらの事象への対応が求められつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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