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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生66巻3号

2002年03月発行

文献概要

アニュアルレポート・2002

産業衛生学の動向

著者: 大原啓志1

所属機関: 1高知医科大学公衆衛生

ページ範囲:P.184 - P.186

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産業衛生学の課題
 産業衛生学の動向は,産業現場の課題やこれに対する産業保健活動と深い関連をもつ.20世紀後半は産業衛生学を基盤とした産業保健活動が,法的規定の整備ともあいまって本格的に進展した時代といえるであろう.しかし,近年の産業社会の産業構造の変化や就業構造の多様化,また,作業態様の変化など,労働生活と健康の関係にも新たな課題が生じており,その対応でも法的規制だけでなく産業現場での自主的な活動の必要性が認められてきた.
 産業衛生学の課題について,2000年12月に3年間の検討を経て「21世紀の労働衛生研究戦略」(以下,研究戦略)協議会の報告が発表された.21世紀初頭の10年間に重点的に実施すべき研究課題を検討したもので,三つの重点領域と優先的に取り組むべき研究課題が示されている(表).重点領域Iは,第三次産業の伸長,就業形態の多様化,情報技術革新,労働力の高齢化,女性労働者の職域拡大などの急速な進展の中で,労働負荷と健康影響を把握することを課題とする領域とされている.IIは,有害因子に関する領域で,それらの生体影響の範囲,作用機序,複合影響,生態側の感受性など,および,作業態様における生体負荷因子,すなわち人間工学的因子とこれに対する生体側の負担との解明の究明を重要な課題としている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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