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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生66巻6号

2002年06月発行

文献概要

特集 食品の安全について考える

食品由来の健康被害の歴史と保健所への期待

著者: 西正美1

所属機関: 1(財)石川県成人病予防センター

ページ範囲:P.398 - P.404

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 生命維持,健康確保のための食が,時には健康を阻害し,生命をも奪う.自然界の食物について先人達は経験的にその有益,有害を識別してきた.また,飢饉や季節的な食対策のための幾多の保存食など,地域性豊かな食文化を育て上げてきた.しかし,時として,ケアレスミスなどで健康被害も生じた.劣悪な生活環境や未熟な食品管理では,経口ないし食品関連疾病が発生し,また,栄養的欠陥による健康阻害も見られた.
 一方,経済発展や生活水準の向上は,食への欲望が単なる生命維持や健康保持を超えて,多様な食文化を構築する.食品製造・加工の発達を促し,保存料,着色料など多種多様の添加物が使われ,食糧需給の合理化,食品関連企業の大型化,流通機構の拡大,食品の多様化と相俟って,食品の生命.健康保持の価値への配慮より,経済的観点が重視されてくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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