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特集 食品の安全について考える
牛海綿状脳症(BSE)対策の考え方
著者: 小野寺節1
所属機関: 1東京大学農学部応用免疫学教室
ページ範囲:P.405 - P.410
文献購入ページに移動牛海綿状脳症(いわゆる狂牛病,以下BSE)と変異型クロイツフェルト.ヤコブ病(以下vCJD)については,いずれも致死的である上,その感染のメカニズム,病原体の性質,両疾病の関連性等,科学的に解明されていない部分が多く,このため生じるリスクの不確実性も国民の不安を増大させる要因となっている.筆者らはこのような不確実性にかかわらず,あえてこれらのリスクの考察を試みた.
本病のわが国での発生に伴うリスクには,家畜衛生上および公衆衛生上のリスクがある.家畜衛生上のリスクは,本病が,今後わが国で飼養されている牛で4頭の発生にとどまるか,もしくは大規模な発生となるかの可能性である.一方,公衆衛生上のリスクは,BSEの病原体に汚染された牛肉が流通し,vCJDの患者が出現する可能性である.この2つのリスクは,密接に関連している.
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