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特集 食品の安全について考える
食品由来の健康被害に対する危機管理—健康危機管理研修における紙上シミュレーションの試み
著者: 山口亮1
所属機関: 1北海道網走保健所
ページ範囲:P.411 - P.415
文献購入ページに移動「何らかの有毒・有害物質が食品(飲食物)の中に入っていて,それを飲み食いしたヒトが急性胃腸炎(腹痛・下痢・嘔吐などの症状を伴う)などの急性障害を起こした場合に食中毒といいます」1)とありますが,これはレトロスペクティブに見た定義であり,保健所における食中毒の初動では,この定義の後半部分を探知するところから始まります.すなわち,「急性の胃腸炎症状を呈したヒトが,病院に多数受診しているようだ」ということです.
食品衛生法では,「医師は食中毒患者(擬似症も含む)を診断,またはその死体を検案した場合には,直ちに最寄の保健所長に届けなければならない」ことになっているからで,多くの場合は,この届出によって対策が開始されます.他の例としては,学校給食を原因とする食中毒の場合には,父母からの保健所への相談から探知される場合があり,また,一般住民から保健所への有症苦情から探知される場合もあります.
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