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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生67巻11号

2003年11月発行

文献概要

特集 検証「SARS」

SARSの病態,疫学

著者: 岡部信彦1

所属機関: 1国立感染症研究所感染症情報センター

ページ範囲:P.814 - P.819

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SARS事例発生のはじまり
 
 中国広東省では,2002年11月頃より非定型肺炎の多発があり,2003年に入ってこの状況が明らかになり,2月頃よりPro-Medなどにその情報が記載されるようになった(世界のインターネット上で感染症情報の交換を個人の立場で行っている.http://www.promedmail.org).2003年2月11日,WHOは5例の死亡を含む305例の急性呼吸器症候群が中国広東省において発生し,その病原を追究中であることをWHOホームページに掲載した.中国当局は,当初これはクラミジア肺炎によるものであると発表していた.

 2003年2月19日,香港において広東省に近い福建省から戻り,肺炎を発症した親子から,トリ型インフルエンザH5N1が分離された.父親は死亡し,9歳の男児は回復した.これは1997年香港での流行以来初めての,ヒトからのH5N1の分離例であり,広東省を起点とした新型インフルエンザ大規模流行(influenza pandemic)の前兆ではないかと,世界中のインフルエンザ関係者の関心を集めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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