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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生67巻11号

2003年11月発行

文献概要

資料

WHOタバコ規制枠組み条約採択の意義と課題

著者: 稲葉治久1

所属機関: 1社団法人中央政策研究所

ページ範囲:P.874 - P.876

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 2003年5月21日,「タバコ規制枠組み条約」(Framework Convention on Tobacco Control,以下FCTC)が世界保健機関(World Health Organization,以下WHO)の第56回総会において全会一致で採択された.2000年10月に第1回政府間交渉を開始して以来,日本をはじめとする規制強化に消極的な国々の抵抗によって交渉は難航した.第5回交渉に至っては,日本は,FCTCの目的であるタバコの「消費削減」そのものに対し,加盟国192カ国中唯一態度を留保した経緯もある.しかし,もはや世界の潮流に逆らうことはできなかった.全部で6回の策定作業を重ね,採決に至るまでに3年弱の期間を要したFCTCは,公衆衛生分野では初めての多国間国際条約であり,世界的規模でのタバコ規制に向けた大きな前進――少なくともその第一歩――として評価することができよう.FCTCは,加盟国192カ国のうち40カ国の署名・批准で発効することになる.

 ところで筆者は,企業の発信する有害情報の規制のあり方,特にタバコ広告表示規制にかねてから強い関心を有してきた.本稿では,FCTCを概観するとともに,FCTCを通して日本が直面する課題について考察を試みたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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