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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生67巻4号

2003年04月発行

文献概要

特別寄稿

地球温暖化と蚊媒介性感染症デング熱,西ナイル熱とマラリア

著者: 當間孝子12

所属機関: 1琉球大学医学部保健学科 2琉球大学アジア太平洋島嶼研究センター

ページ範囲:P.296 - P.300

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 最近まで,「感染症の征圧の長い闘いは終わりに近づいた」との楽観論が聞かれた.確かにポリオ,ハンセン病,オンコセルカ症,天然痘などは過去の疾患となった.しかし,コレラ,マラリア,西ナイル熱,結核など,地理的に限られていた疾患が世界各地で勃発し,再流行(再興)している.また,エイズやエボラ出血熱など,世界のあちこちで感染源や病原体の不明な新しい疾患も出現(新興)している.感染症の征圧の闘いは終わりどころか,重要な段階にさしかかっていると言えよう.

 WHO(世界保健機関)の報告書(1996)によると,感染症はまだ世界の主要な死因で,年間の死者数5,200万人のうち,少なくとも約33%が感染症により死亡,また世界人口の半数以上が,感染症の危険に曝されていると報告している.このような現象は,最近特に問題視されている地球温暖化や国際化と,リンクしていると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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